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研究室紹介

研究内容

金属系

金属系水素貯蔵材料 (遷移金属水素化物)

金属系かつて、水素貯蔵材料の研究開発対象がほとんど金属水素化物ばかりだった時期があり、その頃には、水素貯蔵材料ではなく、水素吸蔵合金と呼ばれていました。水素吸蔵合金の内主たるものは遷移金属水素化物と呼ばれるもので、周期表の遷移金属を主成分とする純金属や合金の水素化物です。遷移金属水素化物中では、水素原子は金属原子で構成される格子の隙間(格子間位置)を占有し、格子間位置間を比較的容易に移動(拡散)できるため、比較的低温でも水素を貯蔵したり、放出することができます。一方、遷移金属原子は一般に重いので、貯蔵した水素の濃度を質量%で表示すると小さな値となります。水素吸蔵合金には、Mm(ミッシュメタル)-Ni系やMm-Mg-Ni系など、ニッケル―水素電池(Ni-MH電池)の負極の活物質として用いられている材料を初めとして、様々なものがあります。 水素エネルギー材料研究室では、Ti・Zr系やMg系の水素吸蔵合金に関する研究を行っています。

錯体系

錯体系水素貯蔵材料

錯体系錯体水素化物は、例えばAx(MHy)z(x,y,zは量論を表す定数)で表され、この場合、M原子とy個のH原子が共有結合して全体としては錯イオン(MHy)xを形成し、この(MHy)x錯イオンがAz+イオンとイオン結合をしています。Aはアルカリ金属、アルカリ土類金属であることが多く、MはB、Nなどの非金属元素やAlなどの典型金属元素、Fe、Niなどの遷移金属元素などが挙げられます。AやMに軽元素を選んだ場合には、貯蔵した水素の質量パーセント濃度は遷移金属水素化物に比べて大きな値となり、貯蔵した水素量の割に軽い材料を得ることができるので、スマートフォン等の携帯機器、あるいは自動車等の移動・輸送機器などの用途に向いています。一方、反応の際にはHだけでなく、より重いAやM原子(イオン)の移動(拡散)が一般的に必要であり、結合様式の違いからH原子も遷移金属水素化物中ほど容易には移動(拡散)できないと考えられるため、反応速度は一般的に遅く、反応にはある程度の高温を必要とします。水素エネルギー材料研究室では、ボロハイドライドA(BH4)zやアミドA(NH2)zを中心に、それら錯体水素化物の混合物や、水素吸蔵合金との混合物などについても研究を行っています。